Monday, May 21, 2007

無料のインターネット網構築は商店街を救うのか?

Fon を使って商店街を活性化しようという試みが山形県酒田市でおきている。Fonは自分でルーターを買って、その無線LANを他のユーザーに供給する代わりに、自分も外出先で無線LANを使わせてもらえる、「与えれば得る」的な画期的なWi-Fiコミュニティを世界規模で行おうとしている団体で、自身としてこの考え方はとっても気に入っていて使っているんだけど、今回のこの試みはどういう意図なのか。
商店街の活性化って、難しいと思うし、特に今回は自分の使っているもので活性化を試み低流点で非常に興味があるんだけど、どのような構想なんだろう。

Fon Blog からの引用によると、

『現在山形県酒田市ではシャッター化の進行する中心商店街および空洞化が進む旧市街地の活性化のために旧市街地Wi-Fiプロジェクトが進行中です。
<中略>
酒田市は数年前より街興しのプロジェクトとして多数の企画を行っている都市です。今回は、そのプロジェクトの一環として酒田旧市内どこでもWi-Fiが使えるような環境を構築しようと街の有志の方々が一丸となって、駅前から酒田中心商店街さらには日和山公園というルートを繋ぐFON Wi-Fi STREET Projectを進めています。
<中略>
フォン・ジャパンでは、このプロジェクトに協賛し地方都市活性化のテ
ストケースとしてルーターを無償提供しております。現時点で商店街の
方々の協力を得てプロジェクト開始から約2週間で約35カ
所が設置されており、これから夏にかけさらに100カ所近い設置
が予定されております。』

とのこと。
100箇所近くも設置しなければその周辺を網羅できないくらい電波の範囲が弱いのにもびっくりしたけど、それよりもこれで本当に商店街の活気が戻るのだろうか。そもそもネットができるからという理由で人は商店街に来るのだろうか。

友人が書いていた記事を引用すると、

・何がこの問題を重要なものに、解決困難なものにしているのか理解するんだ。
 原因を扱う代わりに、問題を「解こう」とすることをやめるべきだろう。
・これが正にキミたちの弱点だ。
 問題の「原因」にエネルギーを向けずに、問題を「解こう」とし、システムのつながりを無視する。

この二つが今回当てはまるのではないかと思ってしまう。
シャッター商店街の問題として、まず外面的(物理的)に

・大型量販店の進出によって、人の流れが商店街に向かわなくなった。

内面的(精神的)に

・人々がモノの購買決定において近所や商店街の人との付き合いなどによるリレーションよりもモノそのものの安さのみに依存するようになった。
・商店街そのものに魅力を感じなくなった。
・商店街にいる人達が諦めてしまった。

などが挙げられると思う。

問題は外面、内面両方にありそれを解決していかなければいけない。商店街の人々の意識がどれほど活性化に向いているか定かではないけど、少なくともFonという外面的なモノの導入だけではおそらく商店街の活性化には至らないと思う。


仮に商店街から日和山公園へのルートのどこでもインターネットがつながったとしても、それが結果的に商店街の人々に対してどのように還元されるのかが見えない。僕は今は本当にネットに頼って生きているけど、地元に住んでいたとしても観光で訪れていたとしてもそこにわざわざラップトップを持っては歩かないだろう。Fonはアクセスした場所によって履歴が残る(例えば東京の新宿1丁目のどこかでアクセスしたら自分のページにその名前が残る)ので、アクセスポイント巡りなどの提案も出ているようだけど、これはその後の商店街の活性化への導線となっているのだろうか。

商店街の活性化として、商店街を身近に感じる必要があると思う。商店街の比較的近くに小学校が2校ほどと、高校も3校ほどあったのが地図で確認できたので、小学生に向けての商店街を身近に感じてもらうプロジェクトはできると思う。パソコンに馴染んでいる彼らなら好感触を示すかもしれない。


詳しい事情を知らないのに書いてしまうのはどうかと思ったけど、興味があるだけに気になってしまった。今後の展開を是非 Fon Blog のほうにアップしていってもらいたい。

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